児童養護施設の子どもたちに関わる制度について
児童養護施設の子どもたちの進学率について
4月より新年度が始まり、児童養護施設を卒園した子どもたちは進学や就職の道に進みます。
児童養護施設の子どもたちの高校進学率をとある調査では、94.9%というデータが出ております。
ところが、高校卒業後の進路で大学等(大学、短期大学、高専)に進学となると、児童養護施設を卒園する子で約18%。就職率は約60%です。
一般家庭の全国平均の進学率は、約50%を超えているので、このデータから見ると、進学率の少なさがわかります。
また、進学するにも入学金、授業料、教科書代など様々な費用がかかってきてしまう点から、なりたい職業や夢があっても高校卒業と同時に夢を諦めて就職の道を選ぶことがほとんどになってしまうのが現状です。私が施設職員として働いていた際も、子どもたちの中で、高校卒業=就職というのが浸透してしまっており、子どもたちの選択肢が狭くなってしまっておりました。
■児童養護施設出身の子どもたちを対象にしたある進学希望率調査では、
・高校進学希望者は、80%を超えていましたが、大学進学希望者は、30%に留まっております。
・中学3年生の大学進学希望者は、40%近くありますが、高校2年生以降の子どもたちの希望は、20%後半に落ち込んでいました。
この差は、高校生になり、卒園後の進路を考える時になり、金銭面の問題で卒園後の生活を考えた際に、選択肢が少なく就職を考える子が多いのも理由として挙げられます。
進学率の低さと理由について
児童養護施設の子どもたちの進学率の低さを知っていただけたと思います。
進学率の低さと理由についてご説明いたします。
経済面
児童養護施設の子どもたちは原則的に18歳で独り立ちになります。学費はもちろんですが、家賃も含めた全ての生活費を自分で賄わなければなりません。奨学金の制度の利用も出来ますが、生活費全般に奨学金の返済となってきてしまうと、返済が苦しくなってしまうことが多いのです。
「一人で払わなければならない」プレッシャーもあり、困った時に親に頼れることも出来ないことが多いので、経済面の負担から就職をして安定の収入を求めることになり、進学より就職という考えになってしまうのです。
精神面・学力面
児童養護施設の子どもたちは、様々な理由で施設に入所して生活をしていますが、虐待を受け、辛い体験と大人から大切にされた経験がないことから自尊心が低くなってしまい、「どうせ、私なんて」と自分自身のことを大切にすることが不器用になってしまう子もいます。
また、そのような体験から、夢を諦めてしまったり、将来について希望が持てず、進学の意義を見出せずにいるのです。また、虐待の経験から、対人関係に不安やトラウマがあり、通学自体が難しくなってしまう場合もあります。
進学に関する様々な進学支援制度について
経済的な不安から進学を諦めてしまう子が多い現状ですが、文部科学省が行なっている「高等教育の就学支援新制度」というものがあり、授業料等減免と給付型奨学金の内容となっています。これは、社会的養護下にある子どもたちだけではなく、「住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生」も対象になっている制度です。
<支援の対象者>
・世帯収入や資産の要件を満たしていること
・学ぶ意欲がある学生であること
こちらは、給付型の制度となるので、安心して進学し、学ぶ機会が得られます。ただ、全員がもらえるという簡単なものではなく、在学中に支援を受け続けていくには、しっかりと授業に出席をして、勉学に励むことが求められるのです。成績が悪かったり、欠席が続くと支援を打ち切りになってしまうこともあります。
このような制度も増えてきているので、児童養護施設の子どもたちにも学ぶ機会が得られてくるのです。
それでも、家賃や食費等の生活費は自分で得ないといけないので、アルバイトをしながら通学をしていく現状です。
施設にいる間に児童手当を施設で管理しているので、ある程度の貯金額を持って、新生活を迎える子もいますが、全ての子が十分な貯金を持って施設を出るわけではありません。そのことから、まだまだ進学に対してのハードルが高い現実があるのです。
<わたしたち現場職員からのお願い>
全国児童養護施設総合寄付サイトでは
高校を卒業と共に施設を出る子どもたちに生活費などの支援をしています。
子どもたちを支えるためには皆様からの支援が必要です。
卒園する子どもたちへのご寄付はこちら
https://leavehome.org/donations/
企業スポンサーとしての支援はこちら
https://leavehome.org/sponsor/
遺贈での支援はこちら
https://leavehome.org/first/bequest/
<個人の方からのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
<企業スポンサーとしてのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
オレンジの羽根募金
児童養護施設の子どもが安心できる社会づくりへ
「オレンジの羽根運動」は、児童養護施設の現場職員が発足した社会活動です。
入所中の子どもたち、卒園する子どもたちにとってより良い社会で生活するために児童養護施設を正しく知っていただき、
共に支える大人の輪をつくることが目的です。
そんな想いで、私たちはこの活動を行なっています。
多くのみなさまへ活動を周知されるご協力をよろしくおねがいします。
▶︎WEBページはこちら
【FM世田谷/放送中】はなわと岩崎ひろみの ON AIR もっち〜ラジオ
お笑いタレント“はなわ”と女優の“岩崎ひろみ” がお届けする『ON AIR もっち~ラジオ』♪” 子どもたちの“ワクワク♪”を、もっと大きく膨らまそう ”をテーマに、“はなわ”と“岩崎ひろみ”が、子育て経験も交えて面白おかしく元気にお届けします!
〈放送日時)毎週日曜日/11:00~11:15
〈パーソナリティ〉はなわ 岩崎ひろみ
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【公開中】Youtubeチャンネル
日本児童養護施設財団のYoutubeチャンネルにて、『もっち〜とあっき〜が行く施設長インタビュー』『応援メッセージ』『ON AIR もっち〜ラジオのアーカイブ』『寄付サイト』のPVが公開中です。チャンネル登録して頂けますと幸いです。
▶︎チャンネルはこちら
【無料掲載】卒園生対象 企業求人サイト
もっち〜ナビは就職を希望する子どもたちの選択肢が広がるように願いを込めて運営している児童養護施設専門の求人サイトです。施設で暮らす若さ溢れる子どもたちを積極的に採用したい企業のみが求人掲載をしているので、これから施設を退所する高校生や一度施設を退所した卒園児が再就職を目指す場合に活用してください。求人情報にある企業の窓口にご連絡をしていただけますと、求人担当から案内を受けることができます。この事業は営利活動ではないため、掲載課金、採用課金、応募課金、オプション課金は一切しておりません。掲載したい企業も随時募集しております。
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【開館中】日本子ども未来展 オンライン美術館
日本子ども未来展は、児童養護施設の子どもたちの豊かな成長を願うと共に、子どもたちが描く絵画を通して日々の生活だけでなく、子どもたちがそれぞれ持つ「夢」や「希望」を自由に表現する事で自分たちの将来について考える「きっかけ」を持ってもらうことを目的に実施しております。是非ご入館してみてください。子どもたちの素敵な感性や表現力の高さを垣間見れるので手を差し伸べたくなると思います。
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【寄付】あしながサンタ
2019年8月に全国の児童養護施設(607施設)へ、クリスマスに関してのアンケート調査を実施しました。アンケート調査により、1施設あたりの子ども1人に対してのクリスマスプレゼント代の平均予算(約3000円)がわかりました。そこで分かったのが、どの施設も子どもたちが施設生活を送る上で、不自由がない生活を送らせるために、クリスマスの予算を、習い事、衣服費、小遣い、ユニット旅費などに、適切に振り分けられていることがわかりました。ここに私たちがサポートできることがあると考えました。
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地域のスポンサーを必要としております。