皆様、ご存知だと思いますが児童養護施設には様々な理由で入所する子どもが生活しております。
暴力的な虐待、性的虐待、ネグレクト(育児放棄)、経済的な理由、孤児、何かしらの理由により入所を余儀なくされた子ども達です。
年齢は2歳から18歳の子ども達、多くの施設は高校卒業と同時に施設を卒園(措置解除)します。
今から3年前のことです。
施設に勤務の時に、施設の園庭の方からサックスの素敵な音色が聴こえてきました。
そう、私と熊井晴菜との出会いでした。
私
「おっ!?今日も練習かな?」と話しかけました。
晴菜
「あっ江原さん。そうそう!練習だよ。コンクールが控えているからね」
私
「そうなんだ。なんかさ、以前より上手くなってない?きっと毎日自主練しれるからだね」
晴菜
「ほんと??サンキュー!」
私
「卒園してからもサックスを続けるの?」
晴菜
「もちろんだよ。音大に行きたいんだ。でねプロのサックス奏者になるのが夢なんだ」
私
「素敵な夢だね。そしたらもっと頑張らないとだね!」
晴菜
「うん。ありがとう!頑張るよ!」
それから1年が経過したある日のことでした。
いつものように施設の園庭からサックスの音色が聴こえてきました。
私
「やってるね!また上手になってるね。」
晴菜
「おう!サンキュー」
私
「卒園まであと少しだね。卒園後はどうするの?」
晴菜
「本音はね…音大に行きたい…でも無理なんだ…」
私
「そうなんだね。担当のユニットではないから事情はわからないけど、難しいんだね…」
晴菜
「うん…」
その後、彼女は卒園してスーパーの事務員として就職をしました。
私はしばらくして彼女のことが気になり、連絡を取り食事に誘いました。
私
「久しぶりだね。仕事の方はどうかな?順調かな?」
晴菜
「順調だよ。職場の方もとても優しくて、もう慣れてきたよ。」
私
「おぉ~それは良かったね!さすが晴菜~!あっそうそうサックスは吹いてるの?」
晴菜
「もちろんだよ!だって…プロのサックス奏者になるもん。」
私
「そうだよね。まだ音大は諦めてないの?」
晴菜
「うん。諦めてない。でも…まだまだ行けるお金が貯まらなくて…本当に行けるのかな。どんどん年取っちゃう。毎晩ね…寝る時になると涙が溢れるんだ(笑)」
私
「生活しながらだと、思うように貯まらないよね。夜になると考えちゃうよね…」
晴菜
「うん…行きたい…」
私
「よし!そしたら行こうよ!」
晴菜
「えっ!?どういうこと?」
私
「やっぱり夢は叶えないと!力を貸すよ!」
晴菜
「えっ?どうやって?夢じゃないよね??(ほっぺをギュッ)いや現実だ(笑)」
大人の理由により、児童養護施設に入所した子ども達の未来を良くするにはどうしたらよいのでしょうか。
答えは簡単なのかも知れません。
「一緒に叶えよう」
私たち大人のネットワークを活用し、手を取り合い、横と横とのつながりの輪を作れれば、夢を叶える”きっかけ”を作れるはずです。
「動けば変わる」
一緒に彼女の夢を叶える”きっかけ”をつくりましょう!
そして子ども達が笑顔になれる未来を!