児童養護施設を巣立つ日のエピソード
児童養護施設のことをたくさんの方に知ってほしい
運営事務局です。
12月に入り、今年も残り約1ヶ月を切りました。
児童養護施設を卒園する子どもたちは、施設を卒園するまで残り約4か月となります。
本日紹介するエピソードは、児童養護施設を卒園する子どもたちのエピソードを紹介します。
(紹介するエピソードの内容は子どもを特定できないように名前表記や年齢を変えています。)
児童養護施設で過ごした6年間
今回紹介するのは、私が施設職員をしていた頃に担当していたMくんが、施設を卒園する最後の日のエピソードです。
Mくんは6年間、施設で生活をしてきました。小学校6年生の頃、ネグレクトのため児童相談所に保護され、施設に入所しました。中学校では野球部で3年間一生懸命に取り組み、高校生になると卒園後の生活を見据えてアルバイトに励みました。施設では一緒に暮らしている子どもたちに優しく接し、面倒見の良いお兄さん的な存在でした。
高校生になったMくんは、職員たちと卒園後の進路や生活について何度も話し合いました。金銭的に余裕があれば進学を選ぶこともできましたが、大学に通いながら4年間生活するには多額の費用がかかるため、Mくんは就職の道を選びました。Mくんの就職先は、アルバイト先の社長さんが社員登用を勧めてくださった会社です。社長さんはMくんの施設での生活や家庭事情を理解した上で、「応援したい」「支えていきたい」という思いを伝えてくださいました。その言葉を受けて、Mくんは「ここなら安心して働ける」と感じ、就職を決意しました。
就職が決まった後、職員と一緒にアパート探しを始めました。雇用契約書を確認しながら、手取りの中からどれくらいの固定費がかかるのか計算し、毎月余裕を持って生活できる部屋を探しました。内見を重ねた結果、職場に近いアパートを借りることに決まりました。その後、新生活に向けて必要な家具や家電を揃えましたが、その費用はMくんがアルバイトでコツコツ貯めた給料から捻出しました。一人暮らしを始めた後に備えて、何かあった時のための貯金も必要です。
児童養護施設で過ごす最後の1日
Mくんが児童養護施設で過ごす最後の日がやってきました。
施設では、その年に卒園する子どもたちを送るための卒園お祝いの会が開かれました。
全国の施設によってお祝いの形式は異なりますが、私が職員をしていた施設では、職員と在園する子どもたちで卒園生の門出を祝う温かい会が行われます。
入所時の写真や動画などの思い出をみんなで見返し、担当職員が手紙を読み上げて卒園生へのお祝いと感謝の気持ちを伝えるのが恒例でした。
また、卒園する子どもたちからも、職員や在園している子どもたちへの思いを伝えてくれる時間があります。
その日、Mくんは終始笑顔で過ごしていました。新しい生活が始まる期待と嬉しさがあったようです。
いつも通り、生活グループの仲間たちと一緒に遊び、穏やかな時間を過ごしました。そして、夜になり、アパートへ向かう時間となりました。
Mくんより後に施設に入所してきた子どもたちの中には、寂しさのあまり涙を流す子もいました。そんな子どもたちに、Mくんは「また遊びに来るから、みんなも頑張るんだよ」と優しく声をかけていました。そして、施設職員に向かって「お世話になりました」と深々と頭を下げ、職員の車に乗り込み、6年間過ごした施設を後にしました。
アパートに到着し、荷物を下ろすと、いよいよ職員との別れの時です。私はMくんに「困ったことがあったらいつでも連絡してね。施設にも気軽に遊びにおいで」と伝えました。すると、Mくんは「いろいろ本当にありがとう」と一言感謝を伝えてくれました。その一言に、6年間のさまざまな出来事が思い出され、胸が熱くなりました。
※次回のブログでは、施設を卒園した後の子どもたちの新生活についてのエピソードを紹介します。
子どもたちのこれから未来を支えていくには
児童養護施設で暮らしている子どもたちは、施設を卒園(退所)したあとは、親のことを頼ることは、ほとんどできません。
18歳で施設を出たあとは、進学した子も就職した子も自分1人の力で生きていかなければいけない環境に置かれます。
子どもたちの夢と未来を支えていくには、多くの皆様からの現金での支援が必要です。
子どもたちに支援・寄付を考えてくださっている皆さまへ、あなたの寄付・支援が子どもたちの夢や未来を支えます。
<わたしたち現場職員からのお願い>
全国児童養護施設総合寄付サイトでは
高校を卒業と共に施設を出る子どもたちに生活費の支援をしています。
子どもたちを支えるためには皆様からの支援がどうしても必要です。
一人ひとりが寄付をすることで、子どもたちの未来を支えることに繋がります。
<個人の方からのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
<企業スポンサーとしてのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
オレンジの羽根募金
児童養護施設の子どもが安心できる社会づくりへ
「オレンジの羽根運動」は、児童養護施設の現場職員が発足した社会活動です。
入所中の子どもたち、卒園する子どもたちにとってより良い社会で生活するために児童養護施設を正しく知っていただき、
共に支える大人の輪をつくることが目的です。
そんな想いで、私たちはこの活動を行なっています。
多くのみなさまへ活動を周知されるご協力をよろしくおねがいします。
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【FM世田谷/放送中】はなわと岩崎ひろみの ON AIR もっち〜ラジオ
お笑いタレント“はなわ”と女優の“岩崎ひろみ” がお届けする『ON AIR もっち~ラジオ』♪” 子どもたちの“ワクワク♪”を、もっと大きく膨らまそう ”をテーマに、“はなわ”と“岩崎ひろみ”が、子育て経験も交えて面白おかしく元気にお届けします!
〈放送日時)毎週日曜日/11:00~11:15
〈パーソナリティ〉はなわ 岩崎ひろみ
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【公開中】Youtubeチャンネル
日本児童養護施設財団のYoutubeチャンネルにて、『もっち〜とあっき〜が行く施設長インタビュー』『応援メッセージ』『ON AIR もっち〜ラジオのアーカイブ』『寄付サイト』のPVが公開中です。チャンネル登録して頂けますと幸いです。
▶︎チャンネルはこちら
【無料掲載】卒園生対象 企業求人サイト
もっち〜ナビは就職を希望する子どもたちの選択肢が広がるように願いを込めて運営している児童養護施設専門の求人サイトです。施設で暮らす若さ溢れる子どもたちを積極的に採用したい企業のみが求人掲載をしているので、これから施設を退所する高校生や一度施設を退所した卒園児が再就職を目指す場合に活用してください。求人情報にある企業の窓口にご連絡をしていただけますと、求人担当から案内を受けることができます。この事業は営利活動ではないため、掲載課金、採用課金、応募課金、オプション課金は一切しておりません。掲載したい企業も随時募集しております。
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【開館中】日本子ども未来展 オンライン美術館
日本子ども未来展は、児童養護施設の子どもたちの豊かな成長を願うと共に、子どもたちが描く絵画を通して日々の生活だけでなく、子どもたちがそれぞれ持つ「夢」や「希望」を自由に表現する事で自分たちの将来について考える「きっかけ」を持ってもらうことを目的に実施しております。是非ご入館してみてください。子どもたちの素敵な感性や表現力の高さを垣間見れるので手を差し伸べたくなると思います。
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【寄付】あしながサンタ
2019年8月に全国の児童養護施設(607施設)へ、クリスマスに関してのアンケート調査を実施しました。アンケート調査により、1施設あたりの子ども1人に対してのクリスマスプレゼント代の平均予算(約3000円)がわかりました。そこで分かったのが、どの施設も子どもたちが施設生活を送る上で、不自由がない生活を送らせるために、クリスマスの予算を、習い事、衣服費、小遣い、ユニット旅費などに、適切に振り分けられていることがわかりました。ここに私たちがサポートできることがあると考えました。
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地域のスポンサーを必要としております。