児童虐待相談対応件数(速報値)等の公表について
令和元年8月1日に平成30年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数(速報値)が厚生労働省から公表されました。
件数は15万9850件で、前年度より2万6072件(19,5%)増え、過去最多を更新しました。
同時に公表された「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第15次報告)」では、29年度中に(心中13人を含む)65人の子どもが虐待で死亡したこと、どのような状況で虐待死に至ったかなどについて報告されています。
児童虐待による死亡事例の推移(児童数)
※社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会による検証結果
第1次から第15次報告までの児童虐待による死亡事例等の検証結果
心中以外の虐待死 735例、779人
○ 0歳児の割合は47.9%、中でも0日児の割合は19.1%。さらに、3歳児以下の割合は77.2%を占めている。
○ 加害者の割合は実母が55.1%と最も多い。
○ 妊娠期・周産期の問題では、予期しない妊娠/計画していない妊娠、妊婦健康診査未受診の状況が25%強に見られている。
○ 家庭における地域社会との接触がほとんど無い事例は39.1%であった。
子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について
概 要
平成12年に制定された「児童虐待の防止等に関する法律」第4条第5項に基づき、子ども虐待による死亡事例の背景要因等を分析・検 証し、問題点や課題を明らかにするとともに、今後の改善策を講じるため、平成16年10月に社会保障審議会児童部会の下に「児童虐待等 要保護事例の検証に関する専門委員会」が設置され、これまで14次にわたって報告を取りまとめてきたが、今般、第15次報告を取りまとめたところ。
検証・分析 ※対象期間:平成29年4月1日~平成30年3月31日の1年間
(1)死亡事例:心中以外の虐待死事例(50例・52人)
○子どもの年齢 ・例年同様、0歳が最も多く、うち月齢0か月が 高い割合を占める。
0歳 :28例・28人(53.8%) ※1~14次:345人(47.5%)
うち月齢0か月:14例・14人 (50.0%) ※1~14次:159人(46.1%)
○主な虐待の類型 ・例年同様、身体的虐待が最も多い。
身体的虐待 20例・22人(42.3%) ※1~14次:472人(64.9%)
ネグレクト 20例・20人(38.5%) ※1~14次:200人(27.5%)
○実母の抱える問題 ・例年同様「遺棄」「予期しない妊娠/計画していない妊娠」 「妊婦健診未受診」が高い割合を占める。
遺棄 19例・19人(36.5%) ※11~14次:45人(24.9%)
予期しない妊娠/計画していない妊娠 16例・16人(30.8%) ※3~14次:176人(27.0%)
妊婦健診未受診 16例・16人(30.8%) ※3~14次:168人(25.8%)
○加害の動機 ・例年同様、「保護を怠ったことによる死亡」「泣きやまないこと にいらだったため」が比較的高い割合を占める。
保護を怠ったことによる死亡 9例・9人(17.3%) ※2~14次:105人(15.0%)
泣きやまないことにいらだったため 6例・6人(11.5%) ※2~14次:60人(8.5%)
(2)重症事例 (7例・7人)
※調査対象:平成29年4月1日~6月30日の3か月の間に児童相談所が受理した生命の危険に関わる受傷、 衰弱死の危険性があった事例
○子どもの年齢 ・0歳が3例・3人。 うち月齢8か月児が2例・2人、月齢1か月児が1例・1人
○主な虐待の類型と受傷の要因 ・身体的虐待が6例・6人。 ・受傷の要因は、頭部外傷が5例・5人。
○関係機関の関与 重症の受傷以前に児童相談所の関与あり:3例、重症の受傷以前に市町村(虐待対応担当部署)の関与あり:4例
厚生労働省 HP参照
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