児童養護施設の卒園に向けて施設が行うこと
児童養護施設を卒園する子どもたち
新年度が始まり、高校や大学では入学式が行われているところも多いと思います。
施設を卒園した子どもたちも入学式を終えて、新しい学校生活が始まった頃でしょう。
児童養護施設を卒園は、18歳の3月になったからそこで終わりというわけではないのです。
施設を出た後は、多くの子どもたちが一人で暮らしていくことになるので、自立に向けて準備を進めていきます。
巣立ちプロジェクトへの参加
私が施設職員として勤務していた時には、中高生に向けて企業が行う就職フェアに子どもたちと参加をしました。
そこでは、施設を卒園した子が勤務している企業が多く参加しており、実際に今も働いている施設出身の子の生の声を聞くことが出来ます。子どもたちは実際に身近な存在の先輩の話を聞くことによって、「自分も準備しないと」と考えるきっかけになるのです。
Q、実際に働いてみて何が大変だったか。
・自分で身の回りのことをやらないといけない、仕事から帰ってきて施設では賑やかだったけど、静かだから寂しかった。
・悩みを話せる人、頼れる人がいなかった。困った時にどうしていいか悩んだ。仕事が忙しすぎて、ふと電車に飛び込みそうになるくらい精神的に落ち詰められてしまうこともあった。卒園した施設の先生に言えることと言えないことがあった。
Q、施設を卒園するまでに、やっておいた方がいいこと(準備したほうがいいこと)
ここで多く上がった声は、「金銭面」でした。「貯金の必要性」の声も多かったです。
・新生活を迎えるにあたって必要なものを揃えるのに、お金がすごくかかった。お給料も限られているから、友達とご飯を食べに行ったりとか、何でも自由に買えるわけじゃない、病院に行きたくてもお金がなくて我慢することもあった。
保育園で働くAさんの悩み、思い
ある保育園に新卒で保育士として入職した女の子(Aさん)のエピソードを園長先生が紹介をしていました。
保育士なので、0歳〜5歳の子どもたちと触れ合うことはもちろんですが、保護者対応もあります。
ある日、Aさんは、子どもたちや保護者との関わり方がわからないと悩んでいました。
「私は親からの虐待で施設で暮らしてきて、子どもたちは可愛くて好きだけど、自分自身が愛されたことがないから、どんな風に子どもたちや保護者と関わっていいかわからないんです。」と、園長先生に悩んでいる思いを打ち明けてくれたとのことです。
園長先生は、Aさんに「私はあなたの素敵なところいっぱい知っているし、子どもたちに接している時のあなたの笑顔や子どもたちも嬉しそうにしている。ありのままのあなたでいいのよ」と伝えたとのことです。
Aさんと園長先生は涙を流しながら、巣立ちプロジェクトに参加している子どもたちに向けて伝えていました。
子どもたちを支える大人の存在
児童養護施設を卒園した子どもたちを対象とした進学・就労状況のとある調査結果から
・進学した子どもたちの中で、1年3ヶ月で14.8%が中退しているデータが出ています。
・高校卒業後の就職率(正社員)は、8割と高いですが、離職率も高くなっています。
3ヶ月1割、1年3ヶ月後には、3割が離職しています。
□離職をした子どもたちの主な理由として
・休みがほとんどなく、体調を崩してしまった。
・自分に向いていない。戦力になれなくて迷惑をかけていることが申し訳なくなる。
・人間関係(いじめ・馴染めない)
・相談できる人がいない
□中退した子どもたちの理由として
・学校をアルバイトを毎日のようにしながら通うのが辛い。
・学校にお金かかるくらいなら、就職したほうがいいと思った。
など、様々な理由があります。
子どもたちが抱える金銭面の問題
施設を卒園した子どもたちは、奨学金や企業からの給付金制度などの様々な制度を利用して進学をする子も増えてきていますが、生計は自分で立てなければいけないです。施設出身者で大学等を卒業した子の声から、週5〜6でアルバイトをしていかないと暮らしていけなかった。学校が終わって毎日のようにアルバイトをしていたから、友達とご飯に行ったり遊びに行く時間もなかったとのことでした。時には学校の課題や部活などや体調面などからアルバイトをたくさん出来ない子もいます。食費にかけるお金もなく、1日1食のみの子も私が担当した子にいました。その子は卒園時に比べるとびっくりするくらい痩せてしまっていました。
子どもたちを支えていくには、支える大人の存在がどうしても必要なのです。
<わたしたち現場職員からのお願い>
全国児童養護施設総合寄付サイトでは
高校を卒業と共に施設を出る子どもたちに生活費の支援をしています。
子どもたちを支えるためには皆様からの支援が必要です。
卒園する子どもたちへのご寄付はこちら
https://leavehome.org/donations/
企業スポンサーとしての支援はこちら
https://leavehome.org/sponsor/
遺贈での支援はこちら
https://leavehome.org/first/bequest/
<個人の方からのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
<企業スポンサーとしてのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
オレンジの羽根募金
児童養護施設の子どもが安心できる社会づくりへ
「オレンジの羽根運動」は、児童養護施設の現場職員が発足した社会活動です。
入所中の子どもたち、卒園する子どもたちにとってより良い社会で生活するために児童養護施設を正しく知っていただき、
共に支える大人の輪をつくることが目的です。
そんな想いで、私たちはこの活動を行なっています。
多くのみなさまへ活動を周知されるご協力をよろしくおねがいします。
▶︎WEBページはこちら
【FM世田谷/放送中】はなわと岩崎ひろみの ON AIR もっち〜ラジオ
お笑いタレント“はなわ”と女優の“岩崎ひろみ” がお届けする『ON AIR もっち~ラジオ』♪” 子どもたちの“ワクワク♪”を、もっと大きく膨らまそう ”をテーマに、“はなわ”と“岩崎ひろみ”が、子育て経験も交えて面白おかしく元気にお届けします!
〈放送日時)毎週日曜日/11:00~11:15
〈パーソナリティ〉はなわ 岩崎ひろみ
▶︎WEBページはこちら
【公開中】Youtubeチャンネル
日本児童養護施設財団のYoutubeチャンネルにて、『もっち〜とあっき〜が行く施設長インタビュー』『応援メッセージ』『ON AIR もっち〜ラジオのアーカイブ』『寄付サイト』のPVが公開中です。チャンネル登録して頂けますと幸いです。
▶︎チャンネルはこちら
【無料掲載】卒園生対象 企業求人サイト
もっち〜ナビは就職を希望する子どもたちの選択肢が広がるように願いを込めて運営している児童養護施設専門の求人サイトです。施設で暮らす若さ溢れる子どもたちを積極的に採用したい企業のみが求人掲載をしているので、これから施設を退所する高校生や一度施設を退所した卒園児が再就職を目指す場合に活用してください。求人情報にある企業の窓口にご連絡をしていただけますと、求人担当から案内を受けることができます。この事業は営利活動ではないため、掲載課金、採用課金、応募課金、オプション課金は一切しておりません。掲載したい企業も随時募集しております。
▶︎WEBページはこちら
【開館中】日本子ども未来展 オンライン美術館
日本子ども未来展は、児童養護施設の子どもたちの豊かな成長を願うと共に、子どもたちが描く絵画を通して日々の生活だけでなく、子どもたちがそれぞれ持つ「夢」や「希望」を自由に表現する事で自分たちの将来について考える「きっかけ」を持ってもらうことを目的に実施しております。是非ご入館してみてください。子どもたちの素敵な感性や表現力の高さを垣間見れるので手を差し伸べたくなると思います。
▶︎WEBページはこちら
【寄付】あしながサンタ
2019年8月に全国の児童養護施設(607施設)へ、クリスマスに関してのアンケート調査を実施しました。アンケート調査により、1施設あたりの子ども1人に対してのクリスマスプレゼント代の平均予算(約3000円)がわかりました。そこで分かったのが、どの施設も子どもたちが施設生活を送る上で、不自由がない生活を送らせるために、クリスマスの予算を、習い事、衣服費、小遣い、ユニット旅費などに、適切に振り分けられていることがわかりました。ここに私たちがサポートできることがあると考えました。
▶︎WEBページはこちら
地域のスポンサーを必要としております。