児童養護施設で暮らす高校生の就職活動。涙がこぼれたNさん
運営事務局です。
いつも温かいご支援・ご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
私たち全国児童養護施設 総合寄付サイト運営スタッフは、児童養護養護施設の子どもたちが自分の生い立ちを理由に、「夢」や「目標」を諦めることが無いよう、また安心して自立の日が迎えられるよう、本当に必要な支援が届けるために、引き続き活動して参ります。
高校生の就職活動
現在、高校生の就職市場は、仕事を探している高校生の数に対して、企業が募集する人数が大きく上回る「売り手市場」となっていて、2026年7月末時点の高校新卒者の求人倍率は3.60倍だったようです。私が児童養護施設の職員として働いていた頃は、現在ほど求人倍率が高くありませんでしたが、就職活動を行い、10月下旬に就職内定が決まったNさんという子がいたので、Nさんのエピソードについて書きながら、児童養護施設の子どもたちの姿の一例をお伝えしたいと思います。
当時、高校3年生だったNさんは、高校卒業後は就職すると決めていました。
とても優しい性格のNさんでしたが、心配性で、物事を決めて行動に移すまでに時間がかかるところもありました。就職活動が始まると、履歴書を書くことも、応募する企業を決めることも、なかなか思うようには進みませんでした。
初めての就職活動です。何をどう進めればよいのか、分からないこともたくさんあったと思います。
また、家庭の事情から、進路について親に頼ることが難しい環境にありました。自分で決めなければならないという思いに加え、「失敗できない」というプレッシャーも、なかなか行動に移せなかった理由の一つだったのかもしれません。
職員は、そんなNさんの不安な気持ちを受け止めながら、少しずつ前に進めるように関わってきました。本人が納得して応募先を決め、自分の力で一歩を踏み出せるよう、決断を後押ししていきました。そして、いろいろと考えた結果、Nさんは観光地で宿泊業を営む企業に応募することを決めました。
緊張の面接、そして届いた知らせ
応募先が決まると、今度は面接に向けた準備が始まりました。
学校の先生や職員と何度も面接練習を重ね、本番に備えました。それでも、当日は緊張した様子で施設を出ていったことを覚えています。
その日の午後、面接を終えたNさんが施設に帰ってきました。
私が「おかえり。面接はどうだった?」と尋ねると、Nさんは気疲れした様子で、「もう絶対落ちたよ……」と言っていました。
その後、担当職員とゆっくり話をする中で、Nさんは「上手に喋れなかったけど、意欲と誠意は伝えられたと思う」とも話していたそうです。面接でうまく話せなかったという反省がありながらも、自分の伝えたいことは伝えられた。Nさんなりに、練習を重ねて面接に臨んだのだ成果だと思いました。
しばらくして、学校に採用結果の通知が届きました。
結果は「採用」でした。
その知らせを受けたNさんは、ほっとした気持ちから、職員室で涙が出てしまったそうです。
帰宅後、本人から採用されたことを聞いた職員も、とてもうれしく思いました。応募先を決めるまで悩み、面接に向けて準備を重ねてきたNさんの姿を見てきたからこそ、本人の頑張りが結果につながったことを、心からうれしく感じました。
内定は、新しい生活の始まり
就職先が決まったことは、とてもうれしいことです。
しかし、内定はゴールではありません。社会人としての生活を始めるためのスタートラインです。
働き始めるにあたっては、仕事の準備だけでなく、生活の準備も必要になります。
Nさんが就職する企業には社宅がありました。一般の賃貸住宅を借りる場合と比べて、住まいを確保する際の費用や手間を抑えられることも、応募先を考えるうえでの一つのポイントだったようです。
それでも、スーツや家具・家電をそろえたり、給料が入るまでの生活費を用意したりと、就職に向けて必要なお金は少なくありません。親に費用を出してもらうことが難しいNさんは、担当職員と今後の準備について相談を進めていました。就職先が決まれば、すぐに社会人としての生活を始められるわけではありません。仕事に就くための準備と同時に、自分で生活していくための準備も必要になります。
これまで貯めてきたお金や支援制度などを活用して準備を進めますが、就職に向けて必要なものをそろえると、手元にお金が残らなかったり、そもそも十分な金額に満たない場合もあります。就職先が決まった後も、子どもたちのお金に対する不安がなくなるわけではありません。
また、児童養護施設では、子どもたちが施設を出た後の生活に備えて、自立に向けた訓練を行うことがあります。具体的な方法は施設によって異なりますが、一人暮らしを想定した生活を経験するなど、自分で生活していくための力を身につける取り組みです。
来週金曜日のブログでは、児童養護施設で行われている「自立訓練」についてお話しします。

<税制優遇・税額控除について>
令和7年4月1日より内閣府公認の公益財団法人となり、同年8月13日に内閣府より税額控除に関する承認をいただけましたことをご報告いたします。
本証明に関する有効期間は以下の通りです。
令和7年8月13日から令和12年8月12日まで
税制優遇は、個人様・法人様ともに申請を行なっていただけます。
税制優遇・税額控除についての詳細は、こちら
<わたしたち現場職員からのお願い>
全国児童養護施設総合寄付サイトでは
高校を卒業と共に施設を出る子どもたちに生活費の支援をしています。
子どもたちを支えるためには皆様からの支援が必要です。
2027年3月に児童養護施設を卒園し、社会に巣立つ子どもたちのための「全国児童養護施設総合寄付サイト」の
ご寄付受付締切は、2027年2月20日までとなっております。
<日本児童養護施設財団からのお願い>
公益財団法人 日本児童養護施設財団は、児童養護施設で暮らす子どもたちが安心して未来へ歩めるよう、寄付や企業・地域の皆さまとともに支援活動を行っています。子どもたちの笑顔と未来を守るため、活動へのご理解・ご支援をよろしくお願いいたします。
<ご寄付を検討されている方はこちらをクリック>
【寄付】全国児童養護施設 総合寄付サイト(卒園生助成)
全国児童養護施設総合寄付サイトは、全国の児童養護施設や、卒園・退所後の子どもたちを支えるための寄付サイトです。お寄せいただいた寄付は、家賃や生活費など、子どもたちが社会で自立して暮らしていくための支援に役立てられます。
現場の声をもとに、子どもたちに本当に必要な支援を届けています。
【寄付】あしながサンタ
児童養護施設で暮らす子どもたちへクリスマスプレゼントを届ける寄付プロジェクトです。
全国から寄せられたご寄付をもとに、施設の子どもたち一人ひとりへクリスマスプレゼント代を助成し、思い出に残るクリスマスを応援しています。
オレンジの羽事業
◯オレンジの羽根募金
児童養護施設への理解を広げ、子どもたちを応援する全国啓発・募金活動です。
街頭募金や企業・学校との連携を通じて、社会的養護の現状を伝えながら、子どもたちへの継続的な支援の輪を広げています。
◯奨学金事業
児童養護施設で暮らす子どもたちの「学びたい」という想いを、寄付によって支える奨学金事業です。返済不要の奨学金を通して、進学をあきらめることなく、子どもたちが自分の夢や未来に向かって一歩を踏み出せるよう応援しています。
◯卒園生対象 企業求人サイト
もっち〜ナビは、児童養護施設の子どもたちや卒園生の就職を応援する求人サイトです。
子どもたちの背景に理解のある企業の求人を掲載し、自分に合った仕事との出会いを支えています。
求人掲載は無料。掲載を希望する企業も募集しています。(事前審査あり)
◯【開催中】日本子ども未来展
日本子ども未来展は、児童養護施設で暮らす子どもたちの作品を通して、一人ひとりの思いや感性を発信する取り組みです。全国の児童養護施設から寄せられた作品には、子どもたちの夢や希望、自由な発想が込められています。
入館は無料です。心に残った作品がございましたら、「お気持ちの入館料」で応援いただけます。
皆さまからのお気持ちは、子どもたちの未来を支える力につながります。
◯【FM 世田谷】はなわと岩崎ひろみの ON AIR もっち〜ラジオ
お笑いタレントの「はなわ」さんと女優の「岩崎ひろみ」さんがパーソナリティを務めたラジオ番組です。
子どもたちの「ワクワク」をもっと大きく膨らませることをテーマに、子育ての話題などを楽しくお届けしていました。
※現在、放送は終了していますが、過去の放送をアーカイブでお楽しみいただけます。
YouTube(広報事業)
日本児童養護施設財団の公式YouTubeチャンネルでは、全国の児童養護施設への訪問や施設長インタビュー、子どもたちからのメッセージ、財団の活動紹介など、さまざまな動画を公開しています。文章や写真だけでは伝えきれない、児童養護施設の現場の声や財団の取り組みをぜひご覧ください。





































































































































































