児童養護施設を卒園した後に子どもたちが抱える問題と悩み
児童養護施設を卒園した後の子どもたちの生活
3月は、児童養護施設では、卒園(退所)の時期となります。
私の働いていた施設では、職員や在園する子どもたちみんなで門出のお祝いの会を開きます。
児童養護施設をほとんどの子が18歳で卒園となり、一人暮らしの生活が始まります。
児童養護施設を卒園して困ったこと
東京都が児童養護施設を卒園した子を対象にアンケートが行われたことがあります。
引用:「東京都における児童養護施設等退所者の実態調査報告書」2017年2月より
私が担当していた子が卒園をして、仕事をしながら一人暮らしをしていた中で連絡を取り合っていたのですが、その中で「施設にいる間はみんながいたり、職員がいて賑やかだったけど、急に一人になるとすごく静かになって寂しく感じた。」と話してくれました。子どもたちは、一人きりで生活をしていることの寂しさだけでなく、自分の境遇を知っている人たちが身近にいないという孤独感も大きいようです。その背景には、社会に児童養護施設の存在や理解が広まっていないということも挙げられます。例え知っていたとしても、どのように接していいのだろう、家庭のことに触れない方がいいのではないか。と思う人もいます。また、施設に入る子が何か悪いことをしたのではないかなど、誤ったイメージや偏見を持ってしまう人も少なくはありません。
困った時に相談する相手について
東京都が2019年に行なったアンケートによると、困った時に相談する相手として最も多かったのは「施設の担当職員」32.7%が挙がっています。
「元施設の職員」8%もいます。施設によってですが、子どもたちが様々な理由から働けなくなってしまい、生活の立て直しが必要がある時に、宿泊施設(部屋等)を用意し、食事も提供しているところもありますが、全てではありません。又、在園している子の人数などの関係から寝泊まり出来る部屋を用意出来ないこともあります。
また、巣立った施設に連絡をしてくれ、施設職員に相談できる内はいいのですが、担当していた職員が退職してしまったり、「迷惑をかけたくない」などの理由から相談する相手がいなくなってしまったり、子どもとのつながりが途切れてしまうことがあります。私自身も、施設職員を退職した後に担当していた子どもから相談を受けたことがありましたが、他の仕事に就いていたため、勤務後に夜遅くに会いに行き、朝方まで対応をしていたこともあります。
金銭面の問題について
先程のアンケートの回答にあるように、施設を卒園して困ったことに「金銭問題・生活費」も多く回答がありました。二つを合わせると60%近い子が金銭面での悩みを抱えていることとなります。
施設で生活している間は、児童手当を施設で管理し、貯金をしているので、施設を出る時にある程度の金額を持って、一人暮らしが始まる子もいますが、一人暮らしを始めるための生活必需品等を購入すると、貯金も少なくなってしまいます。また、入所時の年齢によっては、貯金がほとんどない状態で一人暮らしが始まる子も多いです。そんな中で、頼れる大人が周りにいない、お金のことも相談しづらいという気持ちから、一人抱えてしまうことになるのです。私が担当していた卒園生の中には、怪我や病気で入院をし、仕事が出来ずに収入が減ってしまうことからアパートの家賃、光熱費が払えない。携帯も止まってしまうので、施設の職員に連絡が取れなくなってしまったことがありました。このような背景から連絡がついた時には抱えている問題が大きなことに発展していることになっていることが多いのです。
すぐ出来る子どもたちへの支援について
<わたしたち現場職員からのお願い>
全国児童養護施設総合寄付サイトでは
高校を卒業と共に施設を出る子どもたちに生活費の支援をしています。
子どもたちを支えるためには皆様からの支援が必要です。
卒園する子どもたちへのご寄付はこちら
https://leavehome.org/donations/
企業スポンサーとしての支援はこちら
https://leavehome.org/sponsor/
遺贈での支援はこちら
https://leavehome.org/first/bequest/
<個人の方からのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
<企業スポンサーとしてのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
オレンジの羽根募金
児童養護施設の子どもが安心できる社会づくりへ
「オレンジの羽根運動」は、児童養護施設の現場職員が発足した社会活動です。
入所中の子どもたち、卒園する子どもたちにとってより良い社会で生活するために児童養護施設を正しく知っていただき、
共に支える大人の輪をつくることが目的です。
そんな想いで、私たちはこの活動を行なっています。
多くのみなさまへ活動を周知されるご協力をよろしくおねがいします。
▶︎WEBページはこちら
【FM世田谷/放送中】はなわと岩崎ひろみの ON AIR もっち〜ラジオ
お笑いタレント“はなわ”と女優の“岩崎ひろみ” がお届けする『ON AIR もっち~ラジオ』♪” 子どもたちの“ワクワク♪”を、もっと大きく膨らまそう ”をテーマに、“はなわ”と“岩崎ひろみ”が、子育て経験も交えて面白おかしく元気にお届けします!
〈放送日時)毎週日曜日/11:00~11:15
〈パーソナリティ〉はなわ 岩崎ひろみ
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【公開中】Youtubeチャンネル
日本児童養護施設財団のYoutubeチャンネルにて、『もっち〜とあっき〜が行く施設長インタビュー』『応援メッセージ』『ON AIR もっち〜ラジオのアーカイブ』『寄付サイト』のPVが公開中です。チャンネル登録して頂けますと幸いです。
▶︎チャンネルはこちら
【無料掲載】卒園生対象 企業求人サイト
もっち〜ナビは就職を希望する子どもたちの選択肢が広がるように願いを込めて運営している児童養護施設専門の求人サイトです。施設で暮らす若さ溢れる子どもたちを積極的に採用したい企業のみが求人掲載をしているので、これから施設を退所する高校生や一度施設を退所した卒園児が再就職を目指す場合に活用してください。求人情報にある企業の窓口にご連絡をしていただけますと、求人担当から案内を受けることができます。この事業は営利活動ではないため、掲載課金、採用課金、応募課金、オプション課金は一切しておりません。掲載したい企業も随時募集しております。
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【開館中】日本子ども未来展 オンライン美術館
日本子ども未来展は、児童養護施設の子どもたちの豊かな成長を願うと共に、子どもたちが描く絵画を通して日々の生活だけでなく、子どもたちがそれぞれ持つ「夢」や「希望」を自由に表現する事で自分たちの将来について考える「きっかけ」を持ってもらうことを目的に実施しております。是非ご入館してみてください。子どもたちの素敵な感性や表現力の高さを垣間見れるので手を差し伸べたくなると思います。
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【寄付】あしながサンタ
2019年8月に全国の児童養護施設(607施設)へ、クリスマスに関してのアンケート調査を実施しました。アンケート調査により、1施設あたりの子ども1人に対してのクリスマスプレゼント代の平均予算(約3000円)がわかりました。そこで分かったのが、どの施設も子どもたちが施設生活を送る上で、不自由がない生活を送らせるために、クリスマスの予算を、習い事、衣服費、小遣い、ユニット旅費などに、適切に振り分けられていることがわかりました。ここに私たちがサポートできることがあると考えました。
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地域のスポンサーを必要としております。