児童養護施設で暮らす子どもたちの思いと声
夢や希望を持てない子どもたち
私が施設職員をしていた時に担当していたC君との話です。
中学3年生のC君は進学する高校やその後の進路について考える時期になり、職員と話し合いを行いました。
職員との話し合いの中でC君は「〇〇高校でいいよ!どうせ頭悪いからそこしか入れないし」「将来は、就職でいいよ、どうせ施設で暮らしているから進学なんて出来ないし、進学するお金もない。進学したってアルバイトしながら生活するなんて無理。出来ない。」とC君は色々なことを諦めがちになってしまっていました。C君は一緒に生活をしていたお兄さんが高校卒業後に就職の道を選んだのを覚えていて、自分も就職しか道がないと思っていたようでした。C君はお金の問題を一番気にしており、将来に対して希望を持てずにいました。
「やりたいことがあったらやってもいいんだよ」と職員は声をかけましたが、C君は「どうせ俺には無理だから、就職でいいんだ」と答えていました。その後、高校に進学したC君と将来に向けて何度も話し合いを重ねました。C君は接客のアルバイトをしており、そして職員に「接客業の仕事が楽しい」と思いを伝えてくれ、接客業の道に進めことを決めました。C君は卒園する時に「働きながらお金を貯めて、調理師の専門学校に行くことにする。それで将来は自分のお店を開けるようにしたい。」と夢を教えてくれました。
子どもたちに立ちはだかる金銭面の問題
□進学した後の問題
現在は給付型の奨学金などのお金の支援が増えてきており、進学を選択する子も増えてきています。しかし、家賃や生活費の問題は自分でなんとかしないといけなくなります。実際に学校を卒業した子のインタビューでは、「学校を卒業するまで、ほとんど毎日アルバイトをしていた。学校が休みの日は朝から夜遅くまでアルバイトを掛け持ちしていて、疲れから体調を崩してしまうこともあった。」とのことです。子どもたちの中には、生活が苦しくなり、せっかく入った学校を途中で辞めてしまう子も多いのです。2020年の文科省の調査では中退率は3割程という結果が出ています。進学率も増えてきていますが、同じように中退してしまう子たちもいるのです。
■就職した後の問題
親を頼れない子どもたちは、就職する際に、家賃面で社員寮を持つ企業を選びがちです。しかし、仕事の内容や社風などがよくわからないまま、社員寮の有無を条件に就職先を決めてしまうと、働き始めてから仕事に不満を抱えて休みがちになってしまい、会社を辞めることになってしまいます。社員寮なので、会社を辞めると住まいを失うことにもなり、生活基盤があっという間に崩れてしまうことになります。
アパートを借りたとしても、お金の管理がうまく出来ずに様々な支払いが出来なくなってしまい、滞納が多くなっていることもあります。お金を稼ぐことのみを考えるようになってしまうと、仕事を辞め、いわゆる夜の仕事を始めてしまう子もいます。理由としては、経済的に厳しい状況下に置かれ、手っ取り早く稼ぐ方法があるからです。又、「自分のことを大切に感じられず、自分なんてどうなってもいい」と思ってしまい、体を売ってしまう子も少なくありません。
虐待の経験で心や身体を傷つけられた子どもたちは、「自分がダメな子だから」と思ってしまいます。自分の生きる意味、存在価値を見出せずにいる子どもたちは、「どうせ自分なんて、どうせがんばったって無理だから」と思いがちです。自分で自分を傷つけたり、生きることを諦めてしまう子もいます。
子どもたちを支える大人の存在と支援の大切さ
子どもたちは施設を出た後、一人で生きていかなければいけない環境下に置かれます。
悩みや困った時に頼れる大人の存在や、巣立った施設に連絡が出来れば理想的なのですが、卒園した子どもたち全員が連絡を出来るわけではありません。SOSが出せない子も多いのです。
子どもたちの夢や未来に希望を持てるよう、皆さまからの継続的なご支援が不可欠です。
あなたのご寄付が子どもたちの未来を変えるきっかけになります。どうかご寄付お願いします。
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オレンジの羽根募金
児童養護施設の子どもが安心できる社会づくりへ
「オレンジの羽根運動」は、児童養護施設の現場職員が発足した社会活動です。
入所中の子どもたち、卒園する子どもたちにとってより良い社会で生活するために児童養護施設を正しく知っていただき、
共に支える大人の輪をつくることが目的です。
そんな想いで、私たちはこの活動を行なっています。
多くのみなさまへ活動を周知されるご協力をよろしくおねがいします。
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【FM世田谷/放送中】はなわと岩崎ひろみの ON AIR もっち〜ラジオ
お笑いタレント“はなわ”と女優の“岩崎ひろみ” がお届けする『ON AIR もっち~ラジオ』♪” 子どもたちの“ワクワク♪”を、もっと大きく膨らまそう ”をテーマに、“はなわ”と“岩崎ひろみ”が、子育て経験も交えて面白おかしく元気にお届けします!
〈放送日時)毎週日曜日/11:00~11:15
〈パーソナリティ〉はなわ 岩崎ひろみ
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【公開中】Youtubeチャンネル
日本児童養護施設財団のYoutubeチャンネルにて、『もっち〜とあっき〜が行く施設長インタビュー』『応援メッセージ』『ON AIR もっち〜ラジオのアーカイブ』『寄付サイト』のPVが公開中です。チャンネル登録して頂けますと幸いです。
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【無料掲載】卒園生対象 企業求人サイト
もっち〜ナビは就職を希望する子どもたちの選択肢が広がるように願いを込めて運営している児童養護施設専門の求人サイトです。施設で暮らす若さ溢れる子どもたちを積極的に採用したい企業のみが求人掲載をしているので、これから施設を退所する高校生や一度施設を退所した卒園児が再就職を目指す場合に活用してください。求人情報にある企業の窓口にご連絡をしていただけますと、求人担当から案内を受けることができます。この事業は営利活動ではないため、掲載課金、採用課金、応募課金、オプション課金は一切しておりません。掲載したい企業も随時募集しております。
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【開館中】日本子ども未来展 オンライン美術館
日本子ども未来展は、児童養護施設の子どもたちの豊かな成長を願うと共に、子どもたちが描く絵画を通して日々の生活だけでなく、子どもたちがそれぞれ持つ「夢」や「希望」を自由に表現する事で自分たちの将来について考える「きっかけ」を持ってもらうことを目的に実施しております。是非ご入館してみてください。子どもたちの素敵な感性や表現力の高さを垣間見れるので手を差し伸べたくなると思います。
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【寄付】あしながサンタ
2019年8月に全国の児童養護施設(607施設)へ、クリスマスに関してのアンケート調査を実施しました。アンケート調査により、1施設あたりの子ども1人に対してのクリスマスプレゼント代の平均予算(約3000円)がわかりました。そこで分かったのが、どの施設も子どもたちが施設生活を送る上で、不自由がない生活を送らせるために、クリスマスの予算を、習い事、衣服費、小遣い、ユニット旅費などに、適切に振り分けられていることがわかりました。ここに私たちがサポートできることがあると考えました。
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地域のスポンサーを必要としております。