児童養護施設の職員さんから聞いたエピソード②
児童養護施設のことをたくさんの方に知ってほしい
運営事務局です。
前回のブログで、職員さんから聞いたエピソードの第一弾を紹介しております。
まだご覧いただけていない方は、こちら
本日のブログでは、児童養護施設で働く職員の方から聞いた子どもたちとのエピソードの第二弾を紹介します。
(紹介するエピソードの内容は子どもを特定できないように名前表記や年齢を変えています。)
児童養護施設で働く職員さんから聞いた子どもたちとのエピソード
先日のブログに引き続き、児童養護施設の現場で働く職員さんから聞いた子どもたちとのエピソードを紹介いたします。
児童養護施設の職員たちは、施設で暮らす子どもたちの生活を365日交代で支えています。子どもたちにとって、施設はもう一つの「家」とも言える場所です。彼らが自立できるよう支援する一方で、時には叱ったり、問題に正面から向き合わなければならない場面もあります。そんな中、子どもたちも本音をぶつけ、時には「しばらく話したくない!」と自室に閉じこもってしまうこともあるそうです。
そんなある日のこと。
施設で働く2年目の職員、Sさんが宿直勤務の日でした。宿直の時間帯は基本的に一人体制で、担当者は一晩中、子どもたちを見守ります。
その夜、高校3年生のAくんが生活ルールを守れず、夜遅くにテレビを大音量で見ていました。寝ている他の子どもたちが起きてしまい、迷惑をかけてしまう状況でした。SさんはAくんに「この時間にテレビの音を大きくするのは良くないし、他の子たちも困っているから、ちょっと考えてほしいな」と優しく伝えました。
しかし、Aくんは感情を抑えきれず、怒りをあらわにしました。「そんなこと言われるなら、俺なんかここにいなければいいんだ!もういいよ!」と言い捨て、自室にこもってしまいました。Sさんは、Aくんの気持ちが落ち着くのを待ち、1時間ほど経ってから様子を見に行くことにしました。
「Aくん、さっきのことだけど、少し話をしない?」とドアをノックしましたが、返事はありません。寝てしまったのかと思い、「ドアを開けるよ」と声をかけて部屋に入ると、Aくんの姿はどこにもありませんでした。なんと、Aくんは自室の窓から外に出て、施設から姿を消していたのです。その時、夜はすでに11時を回っていました。
Sさんは急いで他の職員に連絡し、Aくんを探し始めました。Aくんの自転車もなくなっていたため、職員たちは周辺を手分けして探し回りましたが、見つかりませんでした。事態の深刻さを考え、警察にも捜索願を出しました。
明け方、Aくんは何事もなかったかのように施設に戻ってきました。
Sさんと職員たちは安心し、「Aくん、本当に心配したんだよ。ずっと探してたんだ」と伝えました。すると、Aくんは小さな声でこう答えました。
「俺がここにいない方がいいと思って、親のところに行こうとしたんだ。でも、途中で無理だって思って…行けなかった。」
Aくんは、親を求めて深夜に数十キロの道のりを自転車で走っていたのです。しかし、距離の長さと時間の遅さから、途中で引き返さざるを得なかったようでした。
Aくんが無事に戻ってきたことに、Sさんは安堵し、涙を流したそうです。季節は12月だったので、朝は気温も低く、Aくんが寒がっていると思い、SさんはAくんに温かいお味噌汁を用意していました。SさんはAくんに「あなたは大切な存在で、ここにいてもいいんだよ」と伝えました。AくんもSさんの涙を見て、「心配かけてごめん・・。」と謝ったそうです。
職員と子どもたちの思い
職員は、子どもたちの親の代わりとして日々関わっていますが、親にはなれません。「どうせ、親じゃないくせに」と言われることもあります。
しかし、親にはなれませんが、現場で働く職員さんは、時にはぶつかることもありますが、決して見離すことはありません。子どもたちのことを思い、日々関わっているのです。
子どもたちのこれから未来を支えていくには
児童養護施設で暮らしている子どもたちは、施設を卒園(退所)したあとは、親のことを頼ることは、ほとんどできません。
18歳で施設を出たあとは、進学した子も就職した子も自分1人の力で生きていかなければいけない環境に置かれます。
子どもたちの夢と未来を支えていくには、多くの皆様からの現金での支援が必要です。
子どもたちに支援・寄付を考えてくださっている皆さまへ、あなたの寄付・支援が子どもたちの夢や未来を支えます。
<わたしたち現場職員からのお願い>
全国児童養護施設総合寄付サイトでは
高校を卒業と共に施設を出る子どもたちに生活費の支援をしています。
子どもたちを支えるためには皆様からの支援がどうしても必要です。
一人ひとりが寄付をすることで、子どもたちの未来を支えることに繋がります。
<個人の方からのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
<企業スポンサーとしてのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
オレンジの羽根募金
児童養護施設の子どもが安心できる社会づくりへ
「オレンジの羽根運動」は、児童養護施設の現場職員が発足した社会活動です。
入所中の子どもたち、卒園する子どもたちにとってより良い社会で生活するために児童養護施設を正しく知っていただき、
共に支える大人の輪をつくることが目的です。
そんな想いで、私たちはこの活動を行なっています。
多くのみなさまへ活動を周知されるご協力をよろしくおねがいします。
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【FM世田谷/放送中】はなわと岩崎ひろみの ON AIR もっち〜ラジオ
お笑いタレント“はなわ”と女優の“岩崎ひろみ” がお届けする『ON AIR もっち~ラジオ』♪” 子どもたちの“ワクワク♪”を、もっと大きく膨らまそう ”をテーマに、“はなわ”と“岩崎ひろみ”が、子育て経験も交えて面白おかしく元気にお届けします!
〈放送日時)毎週日曜日/11:00~11:15
〈パーソナリティ〉はなわ 岩崎ひろみ
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【公開中】Youtubeチャンネル
日本児童養護施設財団のYoutubeチャンネルにて、『もっち〜とあっき〜が行く施設長インタビュー』『応援メッセージ』『ON AIR もっち〜ラジオのアーカイブ』『寄付サイト』のPVが公開中です。チャンネル登録して頂けますと幸いです。
▶︎チャンネルはこちら
【無料掲載】卒園生対象 企業求人サイト
もっち〜ナビは就職を希望する子どもたちの選択肢が広がるように願いを込めて運営している児童養護施設専門の求人サイトです。施設で暮らす若さ溢れる子どもたちを積極的に採用したい企業のみが求人掲載をしているので、これから施設を退所する高校生や一度施設を退所した卒園児が再就職を目指す場合に活用してください。求人情報にある企業の窓口にご連絡をしていただけますと、求人担当から案内を受けることができます。この事業は営利活動ではないため、掲載課金、採用課金、応募課金、オプション課金は一切しておりません。掲載したい企業も随時募集しております。
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日本子ども未来展は、児童養護施設の子どもたちの豊かな成長を願うと共に、子どもたちが描く絵画を通して日々の生活だけでなく、子どもたちがそれぞれ持つ「夢」や「希望」を自由に表現する事で自分たちの将来について考える「きっかけ」を持ってもらうことを目的に実施しております。是非ご入館してみてください。子どもたちの素敵な感性や表現力の高さを垣間見れるので手を差し伸べたくなると思います。
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【寄付】あしながサンタ
2019年8月に全国の児童養護施設(607施設)へ、クリスマスに関してのアンケート調査を実施しました。アンケート調査により、1施設あたりの子ども1人に対してのクリスマスプレゼント代の平均予算(約3000円)がわかりました。そこで分かったのが、どの施設も子どもたちが施設生活を送る上で、不自由がない生活を送らせるために、クリスマスの予算を、習い事、衣服費、小遣い、ユニット旅費などに、適切に振り分けられていることがわかりました。ここに私たちがサポートできることがあると考えました。
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地域のスポンサーを必要としております。