児童養護施設を取り巻く問題の一つ
児童養護施設を取り巻く問題の一つ ”万引き”
児童養護施設を取り巻く問題の一つとして子どもによる万引きがあります。
どの職員もこの問題に真剣に取り組んでおり、入所している子ども達を犯罪者にしないようにしております。
ここでは、どうして万引きをしてしまうかを、簡単にご紹介できたらと思います。
万引きをしてしまう原因とは
万引きの原因として多いのは、「物が欲しいから」万引きするのでは?というご見解もございますが、一概にそうだとは言い切れません。
子どもは、物が欲しい時にはお金が必要だということを認識しております。
原因1 周りの友人が万引きをするから
万引きをしないと仲間外れにされると思ってしまうのです。
一般的からすれば、そんな友人たちとそもそも仲良くする必要はないと思ってしまうのですが、子どもの世界ではそうではありません。
原因2 不良へのあこがれ
小中学生に多いのが不良へのあこがれです。
最近は昔ほど不良に憧れる子が減ったとは聞きますが、それでもやはり、悪い=かっこいいと言う認識を持つ子供は多いでしょう。
万引きに成功すると、悪い友人たちとの間では株が上がります。
万引きをすることが彼らの間ではステータスになるのです。タバコを吸ったり、お酒を飲むのと同じ感覚ですね。不良への憧れが原因で万引きをすると、どんどんと金額が大きくなります。考えたくはないですが、強盗やひったくりなどに手を出す場合もあります。
原因3 ストレスからの開放欲求
上記2つの原因はどちらかと言うと不良に多い原因でしたが、不良ではなく見た目てきには真面目な子であっても、万引きをしてしまう場合があります。
その場合に多い原因がこの「ストレスからの開放欲求」です。
ストレスからの開放欲求というと少し難しく聞こえますが、ストレスから逃れたいのです。
例えば施設の子ども達同士の上下関係や、定められたルールに嫌気をさし、万引きに走ってしまう場合があります。
原因4 その物が欲しいから
やはり「その物が欲しいから」と言う理由で万引きをしてしまう子どもがいます。
また、盗んだものを売却し現金に変えてしまう子どももいます。
物が欲しいから万引きをしてしまうという場合は、非常に深刻な問題であると言えます。
物を買うのにお金が必要だという道理を、理解できていないわけですから。
原因5 万引きをしないと生きていけない
万引きをしないと生きていけないという子どもが少なからずおります。
児童養護施設入所前に、家に食べるものがなく、万引きが生活の一環となっていた子どもです。また親が万引きで生計を立てている家庭などもあります。
罪悪感はなく、生きるための手段としか捉えておりません。この場合、万引きをした子どもを責めることはできません。現場では臨床心理士と治療方法を定め、ゆっくり治療をしていきます。
万引きをさせないために私たちがやっていること
目を見て心から真剣に伝える
当たり前ですが、万引きをした子には真剣に伝える必要があります。
嘘偽りがなく、心から真剣に伝えなければ、子ども達には響きません。
何度も繰り返したとしても、何度も諦めずに心に伝えていきます。
友人関係を整理する
子ども達に伝えることがとても難しいことです。
子ども達の友人関係で、万引きをしても注意しない両親がいます。その子は捕まっても注意あれないので、罪悪感はなくまた同じことを繰り返します。
その場合は、警察機関や行政機関、学校機関と連携して対応をしていきます。
ただ気にしなくてはいけないことが、友人関係を整理すると万引きをしなくなりますが、仲間外れにされたり、虐めにも発展するケースがあるのです。
ストレスの原因を探る
ストレスが原因で万引きをしてしまっている場合に、一体何がストレスとなっているのかを探すことが大切です。臨床心理士と一緒にカウンセリングして、一つずつストレスの原因を探し改善策を出していきます。
また何度言っても繰り返してしまう子どもがいます。その時は、クレプトマニア(窃盗症)や発達障害を疑わなければなりません。専門家による治療が必要となります。
最後となりますが、子ども達にとって一番大切なのが、関わる大人です。
私は子どもと関わる上でもっとも重要なのは、親身に寄り添う姿勢と多用な知識だと考えます。
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