児童養護施設の夏休みの過ごし方②〜午後の過ごし方について〜
児童養護施設のことを知るきっかけ
運営事務局です。
8月になりました。前回のブログでは、夏休みの過ごし方の第一弾として、朝の過ごし方をブログで紹介しました。
本日は、「午後の過ごし方について」紹介させていただきます。
前回のブログをご覧いただけていない方は、第一弾「朝の過ごし方について」をご覧の上、本日のブログをご覧ください。
第一弾「朝の過ごし方について」は、こちら
児童養護施設の夏休みの夏休みの過ごし方について②
前回に引き続き、私が勤めていた施設での話になります。全国には約610ヶ所の児童養護施設がありますが、児童養護施設全て同じ過ごし方ではありません。
施設ごとに過ごし方が異なることをご理解ください。
「児童養護施設の夏休みの午後の過ごし方について」
朝から部活動の練習に出かけていた中高生たちは、お昼前になると元気に帰ってきます。
「疲れた〜!ねぇねぇ、聞いてよ!今日の練習でね…」
玄関を開けるなり、その日あったことを一生懸命話してくれる子も少なくありません。
子どもたちの昼食を準備しながら、練習や学校での出来事を聞くこの時間は、私にとってとても大切で貴重なひとときでした。
夏の部活動シーズンには、大きな大会があり、職員が応援に出かけることもあります。
大会のために毎日一生懸命練習してきた子どもたちの姿は、本当に輝いていて印象的でした。
「大会の応援来てね!」「お弁当も作ってね!」
そう子どもたちの方からお願いしてくれる瞬間は、職員をしていて心から嬉しくなる瞬間のひとつでした。
子どもたちとの大切な時間
夜になると、子どもたちはそれぞれが自由に過ごします。
私が勤めていた施設では、小学生は学年にもよりますが、夜9時までには入室・消灯。中学生は22時、高校生は23時が目安でした。
中高生は夜の時間、職員と1対1でゆっくり話せる時間が取れることも多く、進路や将来のこと、施設を出た後の生活について相談してくれることがあります。学校がある時期は翌日も朝が早く、こうした時間があまり取れないため、夏休みなどの長期休みは、特に大切な話ができる貴重な機会として意識していました。
そんな夜の時間に話をしてくれた、中学2年生のMくんのエピソードです。
Mくんは両親が収監されたことをきっかけに施設に入所しました。面会はできず、手紙でのやり取りだけが家族とのつながりでした。
ちょうど進路について考え始める中学2年生の夏のことです。
ある日の夜、Mくんがぽつりと話してくれました。
「俺って、施設から高校に通うことになるのかな…。志望校どうしたらいいか、わからなくて」
職員さんはMくんの言葉を聞きながら、こう伝えました。
「そうなんだね。お父さんやお母さんのこともあるし、どう決めていいか迷っちゃうよね」
そして、少し間を置いてから、
「Mくんはどうしたい?高校でやりたい部活とか、挑戦してみたいことはある?」と尋ねると、Mくんは少し照れくさそうにこう答えてくれました。
「中学にはなかったから…硬式テニス部に入りたい」
職員さんはMくんのやりたい気持ちをしっかり受け止めながら、こう伝えました。
「Mくん、今はお父さんお母さんと一緒に暮らせなくて、不安になることも多いと思う。でも、私たち職員はいつでもMくんの味方だよ。Mくんがやりたいと思うことや、こうしたいという気持ちを、ちゃんと受け止めるからね」
Mくんは少しホッとした表情を見せながら、「うん。また悩んだ時は聞いてね。今日は聞いてくれてありがとう。」と話してくれました。
子どもたちの想い
Mくんのように、児童養護施設の子どもたちは、色々な家庭の事情で親と一緒に暮らすことが出来ません。
児童養護施設に入所し、18歳で施設を卒園するまで児童養護施設で生活する子がいるのです。
普段、なかなか悩みや抱えていることを言葉にしづらくなってしまうのですが、職員と子どもが1対1で関われる時に、言葉にしてくれることがあります。
現場で働いている職員さんは、子どもたちとの関わりの時間を大切にしているのです。
次回のブログでは、児童養護施設で働く職員さんから聞いたエピソードを紹介させていただきます。ぜひ、ご覧ください。
<わたしたち現場職員からのお願い>
全国児童養護施設総合寄付サイトでは
高校を卒業して施設を出る子どもたちに生活費の支援を行っています。
一人ひとりが寄付が、子どもたちの未来や夢を叶える選択肢を増やしていきます。
児童養護施設への理解を深め、子どもたちの現状を多くの方々に知っていただくことです。
<個人の方からのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
<企業スポンサーとしてのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
オレンジの羽根募金
児童養護施設の子どもが安心できる社会づくりへ
「オレンジの羽根運動」は、児童養護施設の現場職員が発足した社会活動です。
入所中の子どもたち、卒園する子どもたちにとってより良い社会で生活するために児童養護施設を正しく知っていただき、
共に支える大人の輪をつくることが目的です。
そんな想いで、私たちはこの活動を行なっています。
多くのみなさまへ活動を周知されるご協力をよろしくおねがいします。
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【FM世田谷/放送中】はなわと岩崎ひろみの ON AIR もっち〜ラジオ
お笑いタレント“はなわ”と女優の“岩崎ひろみ” がお届けする『ON AIR もっち~ラジオ』♪” 子どもたちの“ワクワク♪”を、もっと大きく膨らまそう ”をテーマに、“はなわ”と“岩崎ひろみ”が、子育て経験も交えて面白おかしく元気にお届けします!
〈放送日時)毎週日曜日/11:00~11:15
〈パーソナリティ〉はなわ 岩崎ひろみ
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【公開中】Youtubeチャンネル
日本児童養護施設財団のYoutubeチャンネルにて、『もっち〜とあっき〜が行く施設長インタビュー』『応援メッセージ』『ON AIR もっち〜ラジオのアーカイブ』『寄付サイト』のPVが公開中です。チャンネル登録して頂けますと幸いです。
▶︎チャンネルはこちら
【無料掲載】卒園生対象 企業求人サイト
もっち〜ナビは就職を希望する子どもたちの選択肢が広がるように願いを込めて運営している児童養護施設専門の求人サイトです。施設で暮らす若さ溢れる子どもたちを積極的に採用したい企業のみが求人掲載をしているので、これから施設を退所する高校生や一度施設を退所した卒園児が再就職を目指す場合に活用してください。求人情報にある企業の窓口にご連絡をしていただけますと、求人担当から案内を受けることができます。この事業は営利活動ではないため、掲載課金、採用課金、応募課金、オプション課金は一切しておりません。掲載したい企業も随時募集しております。
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日本子ども未来展は、児童養護施設の子どもたちの豊かな成長を願うと共に、子どもたちが描く絵画を通して日々の生活だけでなく、子どもたちがそれぞれ持つ「夢」や「希望」を自由に表現する事で自分たちの将来について考える「きっかけ」を持ってもらうことを目的に実施しております。是非ご入館してみてください。子どもたちの素敵な感性や表現力の高さを垣間見れるので手を差し伸べたくなると思います。
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【寄付】あしながサンタ
2019年8月に全国の児童養護施設(607施設)へ、クリスマスに関してのアンケート調査を実施しました。アンケート調査により、1施設あたりの子ども1人に対してのクリスマスプレゼント代の平均予算(約3000円)がわかりました。そこで分かったのが、どの施設も子どもたちが施設生活を送る上で、不自由がない生活を送らせるために、クリスマスの予算を、習い事、衣服費、小遣い、ユニット旅費などに、適切に振り分けられていることがわかりました。ここに私たちがサポートできることがあると考えました。
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