ご存知ですか?児童養護施設で巣立った子ども達の行き先の一つ
児童養護施設で進学を目指す子どもや仕事に就けなかった子どもの行き先の一つに、自立援助ホームという機関があります。
先日、自立援助ホーム夢舞台(ゆめぶたい)さんに、アフターケアーの実態を伺うため訪問してきました。温かく迎え入れてくれたのは、ホーム長の新井秀親さんです。
新井ホーム長は、自立援助ホーム協議会の広報委員長も務められており、自立援助ホームの第一線として活躍されているお方です。
そんな新井ホーム長から、貴重なお話を伺うことができました。
本当にありがとうございました。
知ってほしい自立援助ホームとは
自立援助ホームは、義務教育終了後、様々な理由で家庭にいられなくなり、また児童養護施設等を退所し、働かざるを得なくなった、原則として15歳~20歳までの青少年たちが暮らす所です。青少年たちはスタッフと共に生活しながら、社会で生きて行くための準備をします。
自立援助ホームに入居している青少年たち
虐待や貧困、非行などの問題で家庭に居場所がなくなった青少年たちが入居してきます。
自立援助ホーム設立当初は、児童養護施設の退所者の支援が主だったのですが、近年では図1のように家庭から直接入居する青少年の割合の方が高くなっています。
家庭に問題がありながらも思春期年齢になるまで問題の発見が遅れ、公的な支援の介入が遅れてしまうケースもあります。
支援が遅れたことで、より自立が困難になってしまうことは言うまでもありません。
また、入居の理由は、親による放任・虐待が一番高い割合となっています。加えて、他の理由も家庭の問題に起因することが多いことも図2よりわかります。
家庭の問題から、学習環境が保証されてこなかったことも特徴の一つです。
このことは、自立援助ホームに来る青少年たちが、ホームに来るまでいかに過酷な生活を送って来たのかを物語っています。
自立援助ホームの成り立ち
自立援助ホームの成り立ちは、第二次世界大戦後の昭和30年代に遡ることができます。
戦災孤児の中学卒業後の自立支援対策として神奈川県が「霞台青年寮」を設立したのが始まりです。
その後、養護施設出身者のアフターケアを目的に、新宿寮(青少年福祉センター)が青少年アフターケアセンターとして設立されました。
義務教育終了後に支援の薄い青少年たちに社会的な支援が必要と感じた関係者の善意の活動により、少しずつホームを増やしていきました。
昭和49年に東京都で養護施設の退所者支援としてアフターケア事業と認め、アフターケアの補助金の交付が始まり、昭和59年の東京都自立援助ホーム制度実施要綱の中に「自立援助ホーム」と命名されました。
平成10年に児童福祉法第二種社会福祉事業として位置づけられ、平成21年には、対象年齢が20歳まで引き上げられるとともに、児童保護措置費制度に組込まれ、より公的な支援をうけるようになりました。
事業の実施主体は都道府県・政令指定都市となり、運営主体は、社会福祉法人やNPO法人等となります。
夢舞台はこんなところ
埼玉県内有数の観光地である川越市に夢舞台はあります。
平成30年4月より、それまであった埼玉県西部の日高市より多くの支援者の方々の協力のもと、川越市にて開所することができました。
定員8人の利用者メンバー(男2 女6)とスタッフが共に暮らしています。
共に生活をつくり、分かり合える人数として、また一人立ちした子どもたちへの対応を可能にするため、少人数での生活が大事と考え、あえてこういった形にしています。
子どもたちとの関係は退居後も続きます。むしろ出てからが本番。
生活・育児相談、結婚式のご招待などOB、OGとの関わりも多いのです。
夢舞台が大切にしていること
1、暮らしを共にすること
「夢舞台」は子どもの生活の場所です。仕事から帰ってきてくつろいでいる時、何気ない会話の時、みんなで食卓を囲む時、どれも共に暮らしているからこそ生まれる、子どもたちとのとても大切な時間です。
2、子どもの意思決定を尊重すること
「夢舞台」での生活は、大人の都合で振り回されてきたそれまでの生活とは違い、自分の人生を自分で選び、自分で責任を取るということ。
今まで選択権どころか感情を抑えて生きてきた子どもたちにとっては戸惑うことも多々あります。そんな時は一緒に考えます。失敗や挫折はつきもの、反省と次なる自己決定さえ怠らなければ、それは成長の階段です。
「夢舞台」は、自分のことを考える練習をする場所、立ち上がる練習をする場所です。
3、こちらから関わりを切らないこと
本当のスタートラインは「夢舞台」を退居する時です。何もかもが初めての経験だから、知らないことも一人では難しいこともたくさんあります。制度や役所の手続きがわからない、愚痴を言いたい、一人暮らしがさみしいなどなど・・・。
一人で頑張ってみたけどうにもならない時は、いつでも相談に乗ります。20歳を過ぎても、退居して何年経っても変わりません。「夢舞台」での生活は、退居してからも繋がるための土台作りです。
(夢舞台ホームページ参照)
<個人の方からのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
<企業スポンサーとしてのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
オレンジの羽根募金
児童養護施設の子どもが安心できる社会づくりへ
「オレンジの羽根運動」は、児童養護施設の現場職員が発足した社会活動です。
入所中の子どもたち、卒園する子どもたちにとってより良い社会で生活するために児童養護施設を正しく知っていただき、
共に支える大人の輪をつくることが目的です。
そんな想いで、私たちはこの活動を行なっています。
多くのみなさまへ活動を周知されるご協力をよろしくおねがいします。
▶︎WEBページはこちら
【FM世田谷/放送中】はなわと岩崎ひろみの ON AIR もっち〜ラジオ
お笑いタレント“はなわ”と女優の“岩崎ひろみ” がお届けする『ON AIR もっち~ラジオ』♪” 子どもたちの“ワクワク♪”を、もっと大きく膨らまそう ”をテーマに、“はなわ”と“岩崎ひろみ”が、子育て経験も交えて面白おかしく元気にお届けします!
〈放送日時)毎週日曜日/11:00~11:15
〈パーソナリティ〉はなわ 岩崎ひろみ
▶︎WEBページはこちら
【公開中】Youtubeチャンネル
日本児童養護施設財団のYoutubeチャンネルにて、『もっち〜とあっき〜が行く施設長インタビュー』『応援メッセージ』『ON AIR もっち〜ラジオのアーカイブ』『寄付サイト』のPVが公開中です。チャンネル登録して頂けますと幸いです。
▶︎チャンネルはこちら
【無料掲載】卒園生対象 企業求人サイト
もっち〜ナビは就職を希望する子どもたちの選択肢が広がるように願いを込めて運営している児童養護施設専門の求人サイトです。施設で暮らす若さ溢れる子どもたちを積極的に採用したい企業のみが求人掲載をしているので、これから施設を退所する高校生や一度施設を退所した卒園児が再就職を目指す場合に活用してください。求人情報にある企業の窓口にご連絡をしていただけますと、求人担当から案内を受けることができます。この事業は営利活動ではないため、掲載課金、採用課金、応募課金、オプション課金は一切しておりません。掲載したい企業も随時募集しております。
▶︎WEBページはこちら
【開館中】日本子ども未来展 オンライン美術館
日本子ども未来展は、児童養護施設の子どもたちの豊かな成長を願うと共に、子どもたちが描く絵画を通して日々の生活だけでなく、子どもたちがそれぞれ持つ「夢」や「希望」を自由に表現する事で自分たちの将来について考える「きっかけ」を持ってもらうことを目的に実施しております。是非ご入館してみてください。子どもたちの素敵な感性や表現力の高さを垣間見れるので手を差し伸べたくなると思います。
▶︎WEBページはこちら
【寄付】あしながサンタ
2019年8月に全国の児童養護施設(607施設)へ、クリスマスに関してのアンケート調査を実施しました。アンケート調査により、1施設あたりの子ども1人に対してのクリスマスプレゼント代の平均予算(約3000円)がわかりました。そこで分かったのが、どの施設も子どもたちが施設生活を送る上で、不自由がない生活を送らせるために、クリスマスの予算を、習い事、衣服費、小遣い、ユニット旅費などに、適切に振り分けられていることがわかりました。ここに私たちがサポートできることがあると考えました。
▶︎WEBページはこちら
地域のスポンサーを必要としております。