児童養護施設では、毎年3月に施設を卒園(主に18歳の子ども達)する子ども達をみんなでお祝いする卒園式があります。(小舎制の施設ではホーム毎で行うことがあります)
これまで生活してきた思い出、感謝や不満の思い、これからの決意を胸に施設を旅立ちます。
これまで私が見てきた卒園する子ども達は、卒園することに対して、晴れやかな気持ちよりかは、不安に思う気持ちの方が大きいと感じました。
・施設を卒園したら頼る所が無くなってしまうのではないかという不安な気持ち
・一緒に生活して笑い喧嘩してきた仲間と会えなくなってしまう不安な気持ち
・褒めてくれたり、叱ってくれたり、ガミガミ口うるさい職員がいなくなってしまう不安な気持ち
・社会と向き合い、仕事を継続していけるかの不安な気持ち
・一人暮らしができるか不安な気持ち など
卒園式が近くにつれて卒園を間近の子ども達が小中学生が寝静まったのをみて将来について相談しにきます。
また卒園間近の子ども達は、夕食の時間や部屋の仲間との団欒の時間をとても大切にするようになります。
そう、学校を卒業するのとは訳が違うのです。
全国の職員が、卒園した後も子ども達と深く関わりたいと思っている方が多いと思います。
ですが実際のところ、卒園式が終わると同時に、新たに入所してくる子ども達の対応に追われるのです。
定員数が減るので、必然的に待たされていた子ども達が入所するのです。
入所の予定が確定すると、担当ユニットは、年齢や性別に合わせて、生活環境の準備(勉強机、衣服、生活必需品を整えること)や学校機関との連携を早急にしないといけません。
また子ども達が安心・安全に生活できるユニット編成も同時に考えます。
実際に働いてみると実感するのですが、無我夢中に目の前のことを一つひとつ丁寧に対応をしていると、あっという間に1年が過ぎてしまいます。卒園した子どもと会う機会や、LINE、電話にて相談する時間を多く取ることができなく、職員として虚しい気持ちになります。(ベテランの方は、どちらも丁寧に対応されていると思います)
最後に、私たちは施設を卒園する子ども達を対象に寄付を集っております。
一緒に環境を変える「きっかけ」をつくりましょう。
3月で卒園する子ども達への寄付の受付が2月20日が最終となります。
あなたの行動が環境を変えるきっかけとなります。