児童養護施設の卒園式と施設を出る心構えについて
児童養護施設を卒園する子どもたちの思い
児童養護施設では、基本的には18歳で施設を卒園(退所)となります。
全国には約612ヶ所 児童養護施設があります。3月にはそれぞれ卒園式(退所式)が行われています。
私が職員として働いていた施設では、地域の方や学校の担任の先生など招待をして、卒園する子どもたちの巣立ちをみんなでお祝いします。児童養護施設の卒園式では、卒園する子との思い出をスクリーンに写真や動画を写して思い出を振り返ります。「こんなことがあったね」「子どもと職員でこういうやり取りをしたね」と職員も子どもたちも懐かしく思い出していました。
卒園する子の中には3歳から施設に入所し、約15年間、施設で暮らしている子もおり、ずっと関わっていた職員も思い出がより一層深いものになります。式の最後には、職員から巣立っていく子どもたちに手紙で思いを伝えます。施設の職員はその子の親にはなれませんが、親の代わりとして深く関わってきた関係もあるので、涙を流す職員や子どもたちも多いです。子どもたちからの職員に対しての手紙の中で、私が今でも覚えているのは、「施設で暮らしていて嫌なこともいっぱいあったけれど、〇〇さん(職員)がいてくれてよかった。ここにこれてよかった。ありがとうございました。」いう言葉です。
児童養護施設に入所することは、子どもたちが様々な事情が背景にあり、「かわいそう」と思う方や施設で暮らすことへのマイナスなイメージを持たれる方もいると思います。でも、そんな中で、子どもたちの「ここで生活出来てよかった」「楽しかった」などの思いが聞けることが、職員が子どもたちと向き合う中で大変なことはありますが、全て帳消しになるような言葉でもあります。
児童養護施設を卒園する子どもたちの心構え
児童養護施設を出た後は、ほとんどの子どもたちが就職となり、一人暮らしが始まります。
一人暮らしになると、もちろん全て自分のことは自分でしなくてはいけません。
施設にいる間に心構えとして、自活訓練も行います。担当職員と一緒に準備を進めていきます。
お金の使い方について
・毎月のお金の使い方をイメージしていく。
就職先の就業規則を確認しながら、月の収入からどのくらい自由に使えるお金があるのかなどを一緒に考えます。貯金を月々していく目標も伝えていきます。これは、お金の使い方を伝えないままにしてしまうと、好きに使ってしまい、家賃等の固定費が払えなくなってしまい、アパートを退去になってしまったり、消費者金融に借りてしまうトラブルが起こってしまうためです。
トラブルの際の危機管理や対処方法
一人で生活していく中で、困った時の対処方法も一緒に考えて伝えていきます。
そんなことも?と思うかもしれませんが、18歳で施設を出て、親を頼れない子どもたちがいざ、困ったことに直面した時に、施設の職員や周りの大人に相談出来ればいいのですが、全員相談出来るかといえば、そうではないのです。
・ご近所トラブル
・職場での人間関係
・プライベートでの人間関係
・災害関係
・事故や怪我、病気の時
生活に必要なもの
・住民票などの役所の手続き
・掃除やゴミの分別
・食材や消耗品(トイレットペーパーなど)の購入するところ
・社会のマナー(冠婚葬祭)も伝えていきます。
冠婚葬祭については、施設出身の子で、結婚式のお祝いに御霊前の封筒を使ってしまったという話があります。18歳で社会に出るには若い年齢ですが、一人の大人として社会のマナーも伝えていきます。
買い物に関しては、施設にいる間、職員と食材の買い出しに一緒に出かけることがあるのですが、それはコミュニケーションだけでなく、買い物を通して、野菜は安い日に買うなど、お金の使い方も含めて伝えていくのも目的であるのです。
悩んだ時は一人で抱えないこと
児童養護施設を卒園した子どもたちは、金銭関係の悩みが一番大きいと言います。また孤独感を抱えてしまい、誰にも悩みを相談できずに一人で抱え込んでしまうことが問題として挙げられています。そんな時に施設は卒園してしまっていますが、頼れる大人がいるということと、帰ってくる場所として、つながりが切れないようにしていく必要があります。
<わたしたち現場職員からのお願い>
全国児童養護施設総合寄付サイトでは
高校を卒業と共に施設を出る子どもたちに生活費の支援をしています。
子どもたちを支えるためには皆様からの支援が必要です。
卒園する子どもたちへのご寄付はこちら
https://leavehome.org/donations/
企業スポンサーとしての支援はこちら
https://leavehome.org/sponsor/
遺贈での支援はこちら
https://leavehome.org/first/bequest/
<個人の方からのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
<企業スポンサーとしてのご寄付はこちらの画像をクリックしてください>
オレンジの羽根募金
児童養護施設の子どもが安心できる社会づくりへ
「オレンジの羽根運動」は、児童養護施設の現場職員が発足した社会活動です。
入所中の子どもたち、卒園する子どもたちにとってより良い社会で生活するために児童養護施設を正しく知っていただき、
共に支える大人の輪をつくることが目的です。
そんな想いで、私たちはこの活動を行なっています。
多くのみなさまへ活動を周知されるご協力をよろしくおねがいします。
▶︎WEBページはこちら
【FM世田谷/放送中】はなわと岩崎ひろみの ON AIR もっち〜ラジオ
お笑いタレント“はなわ”と女優の“岩崎ひろみ” がお届けする『ON AIR もっち~ラジオ』♪” 子どもたちの“ワクワク♪”を、もっと大きく膨らまそう ”をテーマに、“はなわ”と“岩崎ひろみ”が、子育て経験も交えて面白おかしく元気にお届けします!
〈放送日時)毎週日曜日/11:00~11:15
〈パーソナリティ〉はなわ 岩崎ひろみ
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【公開中】Youtubeチャンネル
日本児童養護施設財団のYoutubeチャンネルにて、『もっち〜とあっき〜が行く施設長インタビュー』『応援メッセージ』『ON AIR もっち〜ラジオのアーカイブ』『寄付サイト』のPVが公開中です。チャンネル登録して頂けますと幸いです。
▶︎チャンネルはこちら
【無料掲載】卒園生対象 企業求人サイト
もっち〜ナビは就職を希望する子どもたちの選択肢が広がるように願いを込めて運営している児童養護施設専門の求人サイトです。施設で暮らす若さ溢れる子どもたちを積極的に採用したい企業のみが求人掲載をしているので、これから施設を退所する高校生や一度施設を退所した卒園児が再就職を目指す場合に活用してください。求人情報にある企業の窓口にご連絡をしていただけますと、求人担当から案内を受けることができます。この事業は営利活動ではないため、掲載課金、採用課金、応募課金、オプション課金は一切しておりません。掲載したい企業も随時募集しております。
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【開館中】日本子ども未来展 オンライン美術館
日本子ども未来展は、児童養護施設の子どもたちの豊かな成長を願うと共に、子どもたちが描く絵画を通して日々の生活だけでなく、子どもたちがそれぞれ持つ「夢」や「希望」を自由に表現する事で自分たちの将来について考える「きっかけ」を持ってもらうことを目的に実施しております。是非ご入館してみてください。子どもたちの素敵な感性や表現力の高さを垣間見れるので手を差し伸べたくなると思います。
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【寄付】あしながサンタ
2019年8月に全国の児童養護施設(607施設)へ、クリスマスに関してのアンケート調査を実施しました。アンケート調査により、1施設あたりの子ども1人に対してのクリスマスプレゼント代の平均予算(約3000円)がわかりました。そこで分かったのが、どの施設も子どもたちが施設生活を送る上で、不自由がない生活を送らせるために、クリスマスの予算を、習い事、衣服費、小遣い、ユニット旅費などに、適切に振り分けられていることがわかりました。ここに私たちがサポートできることがあると考えました。
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地域のスポンサーを必要としております。